【インドネシア旅行】豪華列車「Argo Semeru(アルゴ・スメル)」完全ガイド

ジャワ島を走る噂の豪華列車 「アルゴ・スメル コンパートメントスイート」 今回は、ジョグジャカルタ駅からガンビル駅まで実際に乗車し、その快適な旅を体験してみました。

運行区間
アルゴ・スメル号は、PT Kereta Api Indonesia(KAI) が運行する、エグゼクティブクラスおよびコンパートメントスイートクラスを備えた旅客列車です。
この列車はジャワ島中部を横断する路線を走り、ガンビル駅(ジャカルタ)―スラバヤ・グベン駅 間を結んでいます。
ガンビル駅(ジャカルタ)からスラバヤ・グベン駅までの距離は 約821.1km。
この長距離を結ぶアルゴ・スメル号の所要時間は以下の通りです:
- ガンビル駅 → スラバヤ・グベン駅:約 10時間30分
- スラバヤ・グベン駅 → ガンビル駅:約 10時間35分
いずれの方向も、1日1往復の運行となっています。
停車駅
- Gambir(ガンビル)
- Bekasi(ブカシ)
- Cirebon(チルボン)
- Purwokerto(プルウォケルト)
- Kroya(クロヤ)
- Kebumen(ケブメン)
- Kutoarjo(クトアルジョ)
- Yogyakarta(ジョグジャカルタ)
- Solobalapan(ソロ・バラパン)
- Madiun(マディウン)
- Nganjuk(ヌガンジュク)
- Kertosono(ケルトソノ)
- Jombang(ジョンバン)
- Mojokerto(モジョケルト)
- Surabaya Gubeng(スラバヤ・グベン)
主要停車駅の運行スケジュール

車両クラスと座席構成
アルゴ・スメル号には、エグゼクティブクラスとコンパートメントスイートクラスの2種類の座席クラスがあります。
- エグゼクティブクラス:座席配置は2-2、リクライニング・回転可能な座席を採用

- コンパートメントスイート:全16席、1-1配置で、座席はフルフラットベッドに変形可能。走行方向に合わせて座席の向きを回転させることもできます。

最新の「Stainless Steel Trainset」車両を採用し、静粛性・乗り心地・安全性のすべてが向上。
まさに“走る高級ホテル”とも呼ばれる存在です。

「コンパートメントスイート」は、Argo Semeru号における最上級クラスの個室タイプ座席です。


全室1名様用の完全個室には、リクライニングベッドシートをはじめ、エアコン、調光可能な照明、ヘッドフォン、テーブル、電源コンセントが備わっています。
仕事にもリラックスにも適した、快適な空間が整っています。


窓側にはタブレット式のモニターが備え付けられており、映画などのエンターテインメントを楽しめるほか、現在地や次の停車駅を地図で確認することもできます。
さらに車内ではWi-Fiが利用可能なため、移動中のちょっとした作業や調べものにも便利です。

座席には柔らかさと程よいホールド感があり、長時間の移動でも負担がかかりにくい設計となっています。リクライニングは細かく角度を調整でき、フットレストやマッサージ機能も備わっているため、足をゆったり伸ばしながら、背中や腰を心地よくケアできます。
車内とは思えないほど快適でプライベート感のある空間で、移動時間そのものを上質なひとときとしてお楽しみいただけます。


乗車したのは、ジョグジャカルタの中心部にあるジョグジャカルタ駅(トゥグ駅/Stasiun Tugu Yogyakarta)。発車時刻は12:56。


チケットはオンライン旅行代理店で事前購入していたため、出発1日前からオンラインチェックインが可能でした。
チェックイン完了後には、QRコード付きのボーディングパスが発行され、そのまま駅の改札を通過できます。
なお、チケットのみでは改札を通れないため、必ず事前にWEBチェックイン、または駅設置の発券機でチェックインを行いましょう。
自動改札でうまく通れない場合は、スタッフがいる改札口で対応してもらい、そちらから入場できます。

Argo Semeruのe-ticket


列車出発の1時間前には駅へ到着しておくと安心です。
待合エリアの周辺にはコンビニや飲食店もあり、乗車前の時間をゆったり過ごせます。



また、ラグジュアリー列車・パノラミック列車・プライオリティ列車の利用者は、駅構内にある専用ラウンジ 「Anggrek Lounge」 を利用できます。




乗車するとすぐに、専属クルーによるウェルカムドリンクサービスが始まり、コーヒーや紅茶、軽食がテーブルに並びます。

その後しばらくすると、クロワッサンが2つ、サラダ、ケーキのセットが登場。
いずれも陶器の皿やカップで提供され、トップクラスの上質さを感じさせるクオリティです。

さらに、出発から約1時間が経過した頃、メインディッシュがサーブされました。
今回のメニューはパスタ。前菜のパンやサラダ、デザートと合わせると、満足度の高いボリュームです。

また、客室にはキャビンアテンダントを呼び出すボタンが設置されており、コーヒーや紅茶などをいつでも追加オーダーできるのも嬉しいポイント。


Argo Semeru号は、ジョグジャカルタ駅を出発し、ジャカルタ・ガンビル駅までおよそ6時間30分の旅路です。
途中では、ジャワ島中央部の主要駅であるクトアルジョ駅・クロヤ駅などを経由しながら走行し、19:32頃にジャカルタ・ガンビル駅へ到着します。
昼間の景色から夕暮れへと刻々と移り変わる車窓風景を眺めながら進む道のりは、まさに旅情にあふれた体験です。
コンパートメントスイートの料金は、2025年時点で以下のとおりです。
- ガンビル駅(ジャカルタ)~スラバヤ・グベン駅: 片道 約 Rp2,050,000~Rp2,500,000
- ジョグジャカルタ駅~ガンビル駅: 片道 約 Rp1,640,000~Rp2,000,000
予約は KAI(インドネシア国鉄)の公式アプリ・ウェブサイト、もしくはインドネシア国内のオンライン旅行代理店から行えます。
人気が高く、特に週末や祝日は混み合うため、早めの予約がおすすめです。

Argo Semeru号のコンパートメントスイートは、「移動=快適な体験」へと変える、インドネシア鉄道の新たな挑戦です。
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