
【インドネシア】特急列車 Argo Wilis 乗車ガイド|快適なエグゼクティブクラスで行くジョグジャカルタ〜バンドン
インドネシアの鉄道旅で人気の「Argo Wilis(アルゴ・ウィリス)」。
今回は、私たちスタッフがジョグジャカルタからバンドンまでの区間(約6時間の列車旅)を実際に体験してきました。
昼過ぎに出発し、夕方にバンドンへ到着するこのルートは、日中の車窓をたっぷり楽しめるおすすめの区間です。
また、ジョグジャカルタ駅は市内中心部に位置しており、アクセスの良さも魅力のひとつです。
運行区間
Argo Wilisは、インドネシア国鉄(KAI)が運行するエグゼクティブクラスの特急列車で、バンドンとスラバヤ(グベン駅)を結ぶ路線です。
1日1往復の運行。全区間の距離は約699km、所要時間はおよそ11時間50分〜12時間です。
1編成あたりの乗客定員は約350〜450名で、1日あたり最大900名ほどが利用しています。
停車駅
- Gubeng(グベン/スラバヤ)
- Jombang(ジョンバン)
- Madiun(マディウン)
- Solo Balapan(ソロ・バラパン)
- Yogyakarta(ジョグジャカルタ)
- Kutoarjo(クトアルジョ)
- Kroya(クロヤ)
- Banjar(バンジャール)
- Tasikmalaya(タシックマラヤ)
- Cipeundeuy(チプエンドゥイ)
- Bandung(バンドン)
主要停車駅の運行スケジュール
車内設備とサービス
Argo Wilisは全車エグゼクティブ仕様。
各座席は回転・リクライニングが可能なレザーシートで、肘掛け・読書灯・折りたたみテーブル・枕・ブランケット・車酔い用袋が備わっています。
また、各席に電源コンセントが2口あり、スマホやPCの充電も可能。
全車両に冷房(AC)・LEDテレビ・トイレを完備しています。
食事サービスは、車内販売スタッフによる提供のほか、食堂車でも利用できます。
チケット情報
チケット料金は購入時期や区間によって異なり、全区間(スラバヤ〜バンドン)では Rp345,000〜Rp460,000、区間利用(例:スラバヤ〜ソロ、バンドン〜クロヤ)では Rp210,000〜Rp280,000 前後です。
チケットはKAI Accessアプリや駅窓口などで購入可能です。
乗車したのは、ジョグジャカルタの中心部にあるジョグジャカルタ駅(トゥグ駅/Stasiun Tugu Yogyakarta)。発車時刻は12:13。
チケットはあらかじめKAI Accessアプリで予約していたため、1日前からオンラインチェックインが可能です。チェックインを済ませると、ボーディングパス(QRコード付き)が発行され、そのQRコードで駅の改札を通ることができます。
チケットだけでは改札を通れないため、必ず事前にWEBまたは駅の発券機でチェックインを行いましょう。
Argo Wilisのチケット
Argo Wilisのボーディングパス
自動改札をうまく通過できない場合は、係員のいる改札口から通ることができます。
11:30には駅に到着し、時間に余裕をもって改札を通過。駅構内の待合いスペースの椅子で待機しました。
電車を待つエリアには、コンビニや飲食店が並んでいます。
ご利用の列車情報は、この電光掲示板で確認できます。
列車が到着する5分ほど前になって、ようやくホームでの待機が可能になります。
「Argo Wilis」の座席クラスは Executive クラス と Panoramic クラス の2種類。
今回は、落ち着いた雰囲気の Executive クラス を利用しました。
車内は全席エグゼクティブ仕様で、リクライニングシートが並びます。
席に腰を下ろすと、冷房の効いた快適な空間が広がり、長距離の列車旅にも安心。
各座席には電源コンセントと折りたたみ式のテーブルが備わっており、PC作業やスマホの充電も可能です。
また、トイレも比較的清潔に保たれており、長時間の移動でも安心して利用できます。
出発してしばらくすると、車内販売のスタッフがドリンクやスナックを持って通路を回ってきます。
お昼を過ぎていたので、ホットコーヒーを購入。
香ばしいコーヒーの香りに包まれながら、窓の外に広がる田園風景を眺めていると、時間の流れがゆっくりに感じられます。
ジョグジャカルタを出発すると、すぐに広がるのは一面の田園風景。
青空の下、風にそよぐ稲の緑がまぶしく、遠くには小さな村や寺院の屋根も見えます。
山間部に入るまでは、列車はかなりのスピードで軽快に進んでいきます。
やがて中盤に差しかかると、列車はタシクマラヤ(Tasikmalaya)やチアミス(Ciamis)といった山あいの地域へ。
このあたりからは、谷を渡る長い鉄橋や、カーブの続く区間が現れ、思わず息をのむような景色が広がります。
山間に入ってからはスピードがゆっくりになるため、この区間では時間をかけて走行します。
6時間の列車旅を終え、夕方18:17、列車は終着のバンドン駅に到着しました。
日が暮れる直前のバンドンの街は少し涼しく、ジョグジャカルタとはまた違った空気が感じられます。
- チケットはKAI Accessまたは旅行会社経由での事前購入が便利
人気路線のため、特に週末や連休は早めの予約がおすすめです。 - 座席は完全予約制
自由席はないので、必ず指定席を確保してから乗車しましょう。 - 列車内は完全禁煙
車内やデッキ、トイレを含めすべて禁煙。喫煙は駅構内の指定エリアのみ可能です。 - 冷房がしっかり効いているので、羽織ものを用意
特に長距離区間では体が冷えやすいため、薄手のカーディガンなどがあると安心です。 - 座席は進行方向左側(A席)の方が景色がきれい
ジョグジャカルタ〜バンドン間では、田園や山々などインドネシアらしい風景をより楽しめます。 - 途中駅では停車時間が短いので、下車しないよう注意
一見ゆっくりしているように見えても、すぐに発車することがあります。 - 軽食や飲み物は車内販売でも購入可能
ただし種類は限られるため、好みのスナックやドリンクを事前に用意しておくのもおすすめです。
ジョグジャカルタからバンドンまでの約6時間、
Argo Wilisはただの移動手段ではなく、“旅の時間そのもの”を楽しめる特別な列車です。
途中で見える風景、出会う人々、静かに流れる時間――どれもがこの国の魅力を改めて感じさせてくれます。
インドネシアをゆっくり味わいたい方には、ぜひ一度体験してほしいおすすめの列車旅です。
弊社では、Argo Wilisをはじめとするインドネシア国内列車のチケット手配を承っております。 ぜひお気軽にお問い合わせください。