空の旅の食事を支える現場へ ― Aerofood工場視察レポート|バリ島インターンシップ体験

 

こんにちは!バリ島でインターンシップ中のみさきです。

 

今回の記事では、ガルーダ・インドネシア・グループの一員であるAerofood ACS(PT Aerofood Indonesia)を視察した様子をご紹介します。

Aerofood ACSは、インドネシアの機内食業界において長年市場を牽引してきたリーディング企業の一つであり、国内各地に拠点を持ち、幅広い航空会社へサービスを提供しています。

 

今回の訪問は、航空業界を支える機内食製造の現場を実際に学ぶことができる貴重な機会でした。普段何気なく食べている機内食が、どのような場所で、どのように作られているのか。その圧倒的なスケールと徹底した管理体制を肌で感じることができ、とても刺激的な時間となりました。

このような現場を実際に訪れて学ぶ機会は、教育旅行や企業視察、海外での工場見学の訪問先としても注目されています。

 

Aerofood ACSとは

 

 

Aerofood ACSは、49年以上の歴史を持つ国際的な機内食(インフライト・ケータリング)サービス企業です。1974年の設立当初は「PT Aero Garuda Dairy Farm」としてスタートし、現在では1日あたり12万食を製造するまで成長しました。

 

 

その事業領域は機内食にとどまりません。病院、学校、工場、鉱山施設への産業向けケータリングから、ランドリー事業まで幅広く展開しています。

機内食の分野では、ガルーダ・インドネシア航空だけでなく、エミレーツ航空、エティハド航空、キャセイパシフィック航空、ジェットスター航空、中国東方航空など、世界各国の名だたる航空会社の機内食を提供しています。

 

まるで搭乗ゲートの空間

 

到着後、まずは担当スタッフの方に案内され、席へ。施設の説明を受けたり、工場見学についての質問をしたりしながら、冷たい飲み物と新鮮なフルーツ、そしてエミレーツ航空で実際に提供されているチーズケーキをいただきました。とてもおいしかったです。

 

 

その後、滑走路が目の前に広がる部屋へ移動しました。そこからの景色は圧巻。空港の搭乗ゲートと同じくらいの距離感で、さまざまな航空会社の機体が動く様子を間近で見ることができました。スタッフの方によると、夕方には美しい夕日と飛行機が重なる絶景が見られるそうで、いつかまたその時間にも訪れてみたいと思える素晴らしい場所でした。

 

 

徹底した衛生管理もと工場見学へ

 

続いて、いよいよ製造現場である工場の見学へと向かいました。 食品を扱う現場として安全・衛生管理が徹底されているのは当然かもしれませんが、実際に目の当たりにしたその「仕組み」の緻密さには、改めて目を見張るものがありました。

 

製造エリアに入るためには、健康チェックをクリアした上で、専用の作業服、マスク、ヘッドカバーの着用が必須となります。特に調理エリアへ進む前には、入念な手洗いに加え、エアシャワーを通過する工程が厳格に組み込まれており、外部からの汚染を一切許さないという強い姿勢が感じられました。

 

 

徹底した衛生管理に身を引き締め、いざ中へ。

なお、工場内は撮影が許可されていなかったため、ここからは文章でその様子をお伝えします。

 

足を踏み入れると、作業工程ごとに細かく区切られた空間が広がっていました。食材の搬入から洗浄、品質チェック、カット、加熱調理、盛り付け、包装、そしてカートへのセットアップまで、すべての工程が効率よく配置されていました。

 

多様性に応える配慮と、混入を防ぐ工夫

 

見学の中で特に感銘を受けたのは、世界中の航空会社を顧客に持つ同社ならではの、多様性への丁寧な対応です。

 

例えば、宗教上の理由でハラル対応が求められる航空会社向けには、アルコールを一切使用しない専用の製造レーンや洗浄ラインが設けられています。一方で、それ以外の航空会社向けのラインではアルコール消毒を行うなど、扱うものによって設備や工程が完全に分けられているのです。1日12万食という膨大な食事を作りながら、各国の文化や宗教的背景に合わせた細やかな配慮が、現場レベルで徹底されていました。

 

また、野菜の洗浄工程では、洗浄前と洗浄後の食材を入れるケースを「色」で明確に分け、視覚的・物理的に混入や汚染を防ぐ工夫がなされていました。品質管理と洗浄のプロセスには常にダブルチェック体制が敷かれており、ミスを許さない確実な管理体制が現場の隅々まで行き渡っていました。

 

圧倒的な規模を支える「手作業」

 

さらに驚かされたのは、これほど大規模な生産体制を支えているのが、実は多くの「手作業」であるという点です。

 

食材を適切な大きさに切り分ける作業から、美しく盛り付け、一つひとつ丁寧にアルミホイルを被せる仕上げまで、機械に頼り切るのではなく、熟練したスタッフの手によって丁寧に進められていました。てっきり効率化のためにすべて機械で行っていると思っていたので、この光景は非常に印象的でした。

 

また、機内食のセットアップについても大きな発見がありました。これまで私は、トレーの準備やアレルギー対応などの特別食の用意は、離陸後に機内で客室乗務員(CA)の方々が行っているものだと思い込んでいました。しかし実際には、工場内で全てのメニューが正確にトレーへセットされ、特別食の仕分けまで完結した状態でカートに収納されていたのです。膨大なメニューを取り扱いながら、個別のニーズにも完璧に応えていく管理体制には心から感銘を受けました。

 

まとめ:学びの多い視察を経て

 

今回の視察を通じて、Aerofood ACSが掲げる「Enhancing The Quality of Life(生活の質の向上)」というビジョンが、単なるスローガンではなく、現場の細部まで息づいていることを肌で感じました。

 

正直なところ、インドネシアの文化や環境の中で、ここまでの徹底した衛生管理を維持することは並大抵の努力ではないと感じました。日本とは衛生観念の異なる環境下で、国際的な基準を満たす品質を維持し続けるためには、多くの工夫と努力が積み重ねられているのだと思います。

Aerofood ACSは、複数の国際的なISO認証を取得し、インドネシア国内でも高い食品安全・品質管理体制で知られています。

その裏側で、スタッフにどのような教育を行い、どのように意識を浸透させているのか。その「人づくり」のプロセスにも強い関心を持ちました。

 

世界中の航空会社から信頼される品質が、日々の真摯な積み重ねとプロとしての誇りによって守られていることを目の当たりにし、非常に実りある視察となりました。

また、このような取り組みは、観光と学びを組み合わせた取り組みとして広がりつつあるサステナブル観光の観点から見ても意義深いものだと感じました。

 

 

 記事の作成者/みさき

大学を休学して1年間インドネシアに滞在している、東南アジアが大好きな大学生!