【クアラルンプール発】第2回 起業家インタビュー 通訳者:江頭 陽子さん
「コミュニケーションで日本とマレーシアの繋がりを作る」
日英通訳・バイリンガル司会など日馬間のコミュニケーションをサポートする分野で活躍中
江頭 陽子さん
こんにちは!起業家インタビュー第2回の今回は、環境が変わっても、自分が好きなことで挑戦し続けるフリーランスの起業家を取材し、紹介していきます。
第2回 ゲスト:日英通訳・バイリンガル司会 江頭陽子さん
江頭 陽子(えがしら ようこ)さん
日英通訳歴17年、マレーシアで行われるイベントや会議の司会も承っています。
コロナ禍でテニスを始め、今も熱中しています。
ラクサ、ババニョニャ料理、お酒に合うサッパリ系の和食おつまみ(自分でもよく作ります!)
緑が多い所、ジャングルやトレッキングが出来る場所
When one door closes, another door opens (一つの扉が閉まる時、必ずまた別の扉が開く)
ミセスグリーンアップル
会社から独立してフリーランスへ
自分の人生を振り返って、思い出に残っている事は何ですか?
日英通訳やイベントの司会を始めた頃は経験も無く、何が正解かもわからなかったので上手に進めることができず、たくさん挫折したのを覚えています。
イベントは予定通りにいかないものですが、今振り返ると上手く行かなかったときに自分を責めすぎてしまっていたなと思います。
通訳や司会などのお仕事は、事前の準備が不可欠です。この部分が上手く行かないと結果に如実に現れます。人前に立つ通訳や司会一人の責任ではないことの方が多いと経験上理解できるようになりました。
フリーランスは企業に属しているわけではないので、手取り足取り教えてくれる人もいませんでした。なので、人に聞いて積極的に学ぶ姿勢と、事前に話し合う、人に頼る大切さに気づきました。
一方で、周囲の皆様と連携が上手に取れてイベントで満足のいくパフォーマンスができた時は「すごく楽しいイベントだった!」と達成感がすごくあります。自分を責めすぎず、失敗を次に活かす為にどうするか考えることが大事だと、フリーランスをやっていて思います。
ライフコーチや通訳・司会など人とコミュニケーションを取る事がお仕事で多いと思います。その際に気を付けている事はありますか?
それぞれの仕事で私の役割は違っていて、司会をするときはイベント全体を俯瞰した立場でいること。通訳のときは、相手をまず理解し、その人が伝えたい言葉・思いをしっかり伝えること。
ライフコーチでは、相手の言いたいことを聞き出すこと。それぞれコミュニケーションの取り方は違います。ですが、常に気を付けていることは、相手がどんな人なのか?何を伝えたいのか?に興味を持つことです。特に通訳をするときは、事前にお時間をいただき、相手の想いや言いたいことを聞き出すようにしています。
日本、アメリカ、マレーシアでの起業経験から、働く上で意識している事はありますか?
仕事で私と関わってくれている方に感謝を伝えることです。相手が何かしてくれた時など、どんな些細な事でも感謝の気持ちを思うだけでなく相手に言葉で伝えるようにしています。そうすると相手の印象に残り易くなり、フリーランスの場合は数いる通訳者やバイリンガル司会者の中から思い出して頂け、相応しい場に呼んでもらえたり、会社員の場合は新しいプロジェクトや昇進などの話が出た時に、一番に思い出される顔になれます。
今では、感謝を伝えることが自分の習慣になりました。
それから、周りに流されそうになったら「自分は何がしたいか」を考える癖をつけるといいと思います。日々の生活の中でも些細な意思決定って何度もしているんですよね。例えば「外食する時、安易に一番安いものを選ぶのではなく、自分が本当に食べたいものをきちんと考えてから選ぶ。」「セール品だから洋服を買うのではなく、このデザインが好きだから買う。」みたいな、自分の気持ちを一番に尊重する癖を持つことができると、心に余裕が生まれて流されなくなります。心に余裕が生まれるだけで、自分だけでなく他人にも優しくなれますよ。
30代からの海外移住
海外に出て一番変わったなと思う事はありますか?
性格がすごく変わりました!マレーシアに来て、反省会をやりがちな私の性格が緩和されて、前向きで明るくなったと思います。マレーシアの人はなんでも褒めてくれるし、とても明るい方が多いので、私もたくさん影響を受けました。
20代の私はずっと日本社会で生きてきたので、こうあるべきという思い込みが強かったのですが、30代になって海外移住・子育てと新たな視点を得られたことで、自分に柔軟性が身につきました。40代の今は自分への自己肯定感が上がったと思う事も多くなり、とても楽しいと感じています。
マレーシアに移住が決まった時はどう思いましたか?現在、マレーシア生活で楽しい事を教えて下さい
夫の仕事の都合でマレーシア移住が決まり、実際に移住するまで3週間ほどしかなく、マレーシア移住について考える暇もなく気づいたら来てました。実際来てみると、マレーシアについて何もわからず不安が徐々に増えていって、とてもネガティブになりました。アメリカ生活がやっと軌道に乗ってきた時に移住したので、アメリカでやり残したことがたくさんあり、最初の頃はアメリカに帰りたかったです。この経験から、「自分の意思ではなく様々な事情で海外に住むことを余儀なくされた経験のある人」のお悩みに共感出来るようになり、寄り添えるようになったと思うので、今思えばいい経験でした。
今では、コンドミニアムにあるテニスコートで仲間たちと一緒に楽しくテニスをしてます!毎日テニス三昧です!コロナ前はよく旅行に行って、アラスカやアメリカ西部をキャンピングカーで回ったり、サラワク州のジャングルを歩いたりしましたが、今は猫も飼い始めたので、旅に出る頻度は減り、家でまったり過ごすことが多くなりました。
今後やりたい事はありますか?
日本とマレーシアを繋ぐ活動をしたいです。今では日本が第二の故郷になるくらいマレーシアが大好きで、日本の人にもっとマレーシアを知ってもらいたいです。
意外と日本とマレーシアの繋がりって戦前からあるんですけど、日本ではあまり知られてないと思うので、橋渡し的な存在となって何かできたらなと思います。
最後に大学生やこれから海外で挑戦したい人へメッセージをお願いします!
私の海外生活のスタートは自分でした選択ではなかったので、辛いことや理不尽に思うこともたくさんありました。そんな時、私の原点はコミュニケーションが好き・人と話すことが好きということを思い出し、そこから行動に移すことを始めました。そうすると、ポジティブに物事をとらえられるようになって、仕事もプライベートもすごく楽しくなりました。
これから海外に行きたいと思う人は、自分の意志で行くからこそ自分のやりたいことはもちろん、他にもいろいろと挑戦できると思います。ネガティブになってしまうこともあるけれど、自分の原点を思い出すことでポジティブになれるし、やりたいこともできてきます。失敗から学べることがたくさんあるので、失敗を恐れず、いろいろなことに挑戦してみてください。
【インタビュアー】