【クアラルンプール】働くx旅する!学びの体験ツアー ロイヤルセランゴール錫製品工場で学ぶマレーシアの歴史とものづくり文化

2025年12月29日 クアラルンプール

マレーシアを代表する「ピューター」と錫の歴史

ピューターとは

世界的な知名度を誇るマレーシアの「ピューター(Pewter)」は、錫に少量の銅やアンチモンを混ぜた合金です。
柔らかく加工しやすい一方で、錆びにくく、保冷性にも優れていることから、食器や装飾品として世界中で愛されています。

ピューターとマレーシアの歴史

このピューター文化は、単なる工芸品にとどまらず、マレーシアの歴史と深く結びついた存在でもあります。
古くから錫は、宗教的な祭事や王室の式典において、器や装飾品として用いられてきました。
錫製品は「清浄」や「格式」を象徴する素材として、人々の生活と精神文化を支えてきたのです。

 

世界最大級の錫産地だったマレーシア

19世紀、マレーシアは世界最大の錫産出国として知られていました。
この豊富な地下資源が、イギリス統治時代の経済発展を支え、多くの外国人労働者を呼び寄せるきっかけとなりました。

しかし現在では、錫資源の枯渇により、原材料の多くを輸入に頼っています。
その一方で、かつての錫採掘地や採掘跡地を活用し、

  • 池や自然公園としての再開発

  • 歴史資源を活かした観光開発

  • 自然環境と共存する都市計画

など、過去の産業遺産を未来へつなぐ取り組みが進められています。

これは、資源開発と環境保全の両立という、現代社会が抱える重要なテーマを学ぶ好例でもあります。

クアラルンプールという都市名に刻まれた「錫の記憶」

実は、マレーシアの首都クアラルンプールそのものが、錫の採掘によって発展した都市です。

マレー語で

  • Kuala(クアラ):川の合流地点・河口

  • Lumpur(ルンプール):泥

を意味します。

つまり、クアラルンプールとは
**「泥の川が合流する場所」**という意味です。

当時、錫鉱石は川の水を使って洗われており、その結果、川は泥水で濁っていました。
この泥川の合流地点こそが、人・物・情報が集まる中心地となり、やがて都市として発展していったのです。

都市の名前そのものに、産業の歴史が刻まれているという点は、生徒にとって非常に印象深い学びとなります。

 

学びのポイント

この錫とピューターの歴史から、生徒は次のような学びを得ることができます。

  • 資源が都市や国家の発展に与える影響

  • 産業と多民族社会の関係

  • 過去の産業遺産をどのように未来へ活かすか

  • 持続可能な開発(SDGs)とのつながり

ロイヤルセランゴールの工場見学と組み合わせることで、
「歴史・地理・公民・探究学習」を横断する立体的な学びが実現します。

 

ツアー

サンプル日程

09:00
ホテル出発
10:00
工場に到着
・館内ツアー
・制作体験
 16:30
出発

 

インフォメーション

移動時間:市内中心部から約30分

催行可能人数:製作体験は一度に80名
工場見学と入替制で同時に160名まで

催行可能時間/日程:9時~17時